★DVD 復讐 THE REVENGE 消えない傷痕 哀川翔 菅田俊 大杉漣 大森嘉之 2024 小林千香子 井田國彦(井田弘樹、井田州彦) 監督:黒沢清

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発売日: 2006/03/24 製作年: 1997 製作国: 日本 収録時間: 80分 出演者: 哀川翔 菅田俊 大杉漣 大森嘉之 小林千香子 井田國彦(井田弘樹、井田州彦) 監督: 黒沢清 製作: 須崎一夫 脚本: ---- 原作: ---- 詳細: ---- 字幕: ---- 音声: ---- シリーズ: ---- メーカー: ソフトガレージ ジャンル: ドラマ 極道・任侠 バイオレンス

全体状態評価「B」・経年劣化「小」・カバーイタミ「小」・スリキズ「小」・レンタル落ち

「復讐したいんじゃない、しなきゃならないんだよ」

黒沢清監督が「勝手にしやがれ!!」シリーズに次いで哀川翔とコンビを組んだ、「復讐 THE REVENGE 運命の訪問者」の姉妹編たるハードボイルドアクション。ニューアイドル小林千香子が、フレッシュな魅力で女優開眼!菅田俊(『修羅の群れ』『渇きの街』)大森嘉之(『青春デンデケデケデケ』)ら、充実の演技陣の競演も必見!!

1990年代、当時「Vシネマの帝王」の異名を取った人気俳優・哀川とコンビを組んで、往年のプログラムピクチャーを彷彿させる低予算のVシネマを量産した黒沢監督。計6本続いた「勝手にしやがれ!!」シリーズに次いで、黒沢監督が哀川を単独で主演に迎えて新たに手掛けたのが「復讐」シリーズの2本。ほぼ同時並行で撮られた「復讐 THE REVENGE 運命の訪問者」が、ジャンル映画の慣例に沿っているのに対し、本作の方はあえてその定型を崩した大胆不敵な演出が随所で試みられているので要チェック。

妻を殺され刑事をやめ、復讐の鬼と化した安城。あれから5年・・・・・・。今は潰れかけたヤクザ組織の客人となり、無為な日々を送っていた。そんな折り、妻殺しの背景に、当局上層部を巻き込む強大な力が動いていた事を知る。子どもの頃に家族を殺されて以来、自分の運命は復讐のためだけにあると悟った安藤は、再び憎しみの銃に手をかける!

妻を殺され刑事をやめ、復讐の鬼と化した安城。あれから5年…。今は潰れかけたヤクザ組織の客人となり、無為な日々を送っていた。新たなるバイオレンスロマンの傑作。

「復讐 運命の訪問者」の続編で、終わらない復讐を虚無的に続けていく男の姿を、破滅へと突き進むひとりのヤクザの姿を伴奏として描いたハードボイルド。監督は前作と同じ黒沢清で、脚本も黒沢が執筆した。撮影は「WiLd LIFe」の柴主高秀が担当している。主演は「極道修行 決着」の哀川翔。16ミリkらのブローアップ。

【復讐の化身となった魂の漂流】 シーンとシーンのつなぎは前作より曖昧になり、主人公はどこか行き場を見失っている。その姿は死のシステムに組み込まれ、死神のように見える。 無為に無垢な時間を過ごす小さなヤクザの組もバラバラに散っていく。残ったのはまたも一人の男だけ。

【観てる間に段々距離感が解らなくなる映画】 フィックスの極端に引いた画面と人物が画面の奥に隠れていく動線設計も不思議。 冒頭の銃撃強盗シークエンスからして遠い。とにかく遠い! 特に菅田俊と哀川翔が木に物を投てきする画は凄まじい距離感。だが、あの距離じゃないと二人は並べないのだ。

【もはやどこに向かっているのかすら分からない】 復讐を暗示するようなドライヴシーンを捉えた長回しの冗長さが素晴らしい。風が吹き荒ぶ中での採寸シーンのエロさも堪らないし、意味の無いことをひたすら喋り続ける菅田俊にも萌えた。

【物語への抵抗】 前作「運命の訪問者」と同じく主人公による復讐を物語の結末に設定しておきながら、今作はことごとくクライマックスを排除した展開で観る者を迷わせる。劇中、吉岡がどうしても自分の目的地にたどり着くことができないのは象徴的だ。今作では自ら脚本も手がけた監督はここで、物語の定型のようなものに抵抗したのではと思わせられる。我々が何となく察知する筋書きの展開、パターンのようなもの、そんなものを当てはめてみるには今作の登場人物たちの行動はあまりにも気まぐれではないだろうか。今作を観ていてどうも気持ちが落ち着かないのはそんな理由からではないだろうか。 登場人物たちはそれぞれ結ばれることのないまま決定的に断絶している。復讐も果たされたのかどうか定かでないまま、暗い余韻を残して映画は終わる。

【刑事をやめた安城の復讐はまだ終わっておらず、山本という偽名を使い妻殺しの背後に潜んでいる者を探し追っていた~というお話。】 1作目「運命の訪問者」の続き。とはいえいつの間にそんなスケールの大きな話に?肝心の部分はよく分からないまま、いきなり破滅的なヤクザ組長(菅田俊)のパートが絡んできて・・・謎の長回しといい、段々難解な黒沢ワールドの趣が強くなってきた。 寝たきり老人にも家政婦にも容赦ない描写、安城の中で何かが確実に壊れた感じが出てる。 哀川翔が珍しくスーツじゃなくてアーミースタイルで通す。 服飾の専門女学生にひょんなことからスーツを仕立ててもらうことになったので、てっきりラストシーンで着替えて走り去るのかと思ったら ・・・置いたままかいっヾ(ーー )ォィ またしてもエンディングに哀川翔の歌が使われてる、しかも妙にカントリー調でホント謎( ゜ ρ ゜ ) クレジットにあった大森南朋がどこに出ていたのかも謎。

【復讐したいんじゃない、しなきゃならないんだよ】 暴力を行使する場面(見せ場)は決まって、遠景の長回しで静かにとらえる。殺した奴や死んだ奴の顔はほとんど見えない。ただ人がバタバタと倒れていく。 これだけ低予算かつ短期間の撮影では、この見せ方は有効だろう。結果的に監督の思惑ともマッチした見せ方だと思う。一石二鳥。 「復讐したいんじゃない、しなきゃならないんだよ」っていう台詞に集約される。確かにその通り。復讐してくれないと進まないからねこの話。でも一向に話は進まない。で、始末がつかぬまま終わる。 要はジャンルの解体が目的であって、復讐譚はギミックにすぎない感じ。それ系の作品群の中ではかなり成功してる方だと思う。 目に見えない巨大なシステムの中で、だらだら日常やってますっていう現代性。刹那的な出会いとか遊び、当てのないドライブなんかによって象徴される。ソナチネ感。

【前作『運命の訪問者』は素晴らしかったが、その続編も傑作だった】 一度復讐を始めてしまうと、関わったすべての者を殺さない限り主人公の復讐は終わらない。しかし、その相手が誰なのか、すべてを終わらせた先に何があるのか分からない。 主人公安城とヤクザの組長との奇妙な友情や、復讐によって一線を越えた人間はどうなってしまうのかは『蜘蛛の瞳』で発展・継承されていく。

【PTA はこれを見ているのだろうか】 たぶん観ていないだろうが、関係性に符合がみられると思い見直す。PTAの新作が牽引するものとしてのホフマン。牽引されるものとしてのホアキン。という王道ノアールの構造を踏まえつつ、その関係性は次第に相互依存の様相を呈していくのに対して、この映画では一環して、三流ヤクザの菅田俊が、一方的に怪物たる哀川翔にコミットしていき滅びていく様を映し出すという典型的なノアール構造。 でありながら、この映画を比類なきものにしているには哀川翔の振る舞いが、 一瞬の響きあいがあっても構わないという振幅をもつ謎めいた人物として描かれるからだ。誘導しているような狡猾さがないところが逆に恐ろしい。 黒澤清の復讐シリーズを見通していくと 哀川翔の振る舞い、そのものが単なる暇潰しであるかのようにもみてとれるところが、武のソナチネで有効に機能した遊戯性とも親密に共鳴している。 菅田俊の虚勢のはりかたもすばらしいですな。 哀川翔が最強だった時代の傑作。

【もっと観たかった】 安城とヤクザの吉岡(菅田俊)が織り成す刹那的な様相での男の友情や、同じアパートに住む専門学校生の美津子(小林千香子)と安城の交流と云ったモチーフは、拳銃の調達や闇ルートの大物を突き止めるなどの伏線的な意図は与えられながらも本筋には大きく関与しないものだが、結果的には、殺伐とした直球勝負の物語に大きな個性を与える絶妙なモチーフに昇華。この情緒豊かな感性は、ロングショットを効果的に繰り出す事で特異なバイオレンス空間を創造する黒沢監督のもう一つの個性だと云える。 後年の「蛇の道」では、弾数も無駄に多いと云った印象を受けてしまったが、この作品での殺陣シークエンスは、その全てに無駄が無い。正にキラーの連続と云った所。別人がメガホンを取れば、全く異なるコントラストになる事も想像に難くないと云った暴力に満ち溢れたシナリオだが、実は、この子供の拳銃チャンバラのようにも見えてしまう飄々としたスタンスでのアプローチの方が、アクション性を前面に打ち出すバイオレンス路線などより数倍怖い。 10人超の死者を数えるシナリオながらも、映像には断末魔の表情が一切登場しない。このスタンスは殆どの黒沢作品で貫かれているものだが、これこそが正に黒沢作品のリアルホラーの源泉だと云える。普段は見慣れぬ断末魔の表情などをお化け屋敷のように仰々しく見せられるより、事件の瞬間を捉えたスクープ映像のようなロングショットの方がリアルな恐怖に満ち満ちているからである。80分と云う上映時間ながらも上手く纏め上げられた作品だったなどとは云いたくない所。もっと観たかった。ネタも続きそうだったし。古紙回収業者がヤクザに対して見せる思わせぶりなカットも、下元史朗さんが演じていただけに最後まで気になっていたのだが。


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当方が基本的に扱うのはオークションお取引品、屋流通品、友人よりの譲りもの
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